2022.07.25
萩尾望都先生が、アイズナー賞「コミックの殿堂」を受賞されました!!
2022年7月22日(現地時間)に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催中のコミコン・インターナショナルにて、ウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワード(The 2022 Will Eisner Comic Industry Awards、以下アイズナー賞)の授賞式が開催され、萩尾望都先生が「コミックの殿堂(The Comic Industry’s Hall of Fame)」を受賞されました。
アイズナー賞は米国のコミック業界が過去一年間で特に優れた業績を残した作品・アーティストを顕彰する、米国のコミック業界で最も権威のあるアワードとして知られています。
そのアイズナー賞の中でも「コミックの殿堂」は、個々の作品に対してではなく、漫画家の“殿堂入り”を認める極めて名誉ある賞。
過去に同賞を受賞した日本人作家は、手塚治虫氏、小池一夫氏、小島剛夕氏、大友克洋氏、宮崎駿氏、高橋留美子氏という錚々たる方々で、萩尾望都先生は7人目に名前を連ねました。
受賞おめでとうございます。
萩尾望都 プロフィール
1949年5月12日生まれ。福岡県大牟田市出身。日本SF作家クラブ、日本漫画家協会に所属。女子美術大学客員教授。1969年『ルルとミミ』でデビュー。
2012年紫綬褒章受章、2016年朝日賞受賞など受賞多数。2019年5月大英博物館The Citi exhibition Manga の原画展に参加し現地で講演を行った。2019年には文化功労者に選出。現在、月刊flowers(小学館)にて『ポーの一族』の最新エピソードを精力的に連載中。
主な作品『ポーの一族』『トーマの心臓』『11人いる!』『銀の三角』『イグアナの娘』『マージナル』『半神』『王妃マルゴ』など。
萩尾望都氏 受賞コメント
萩尾望都です。この度、伝統あるアイズナー賞で、2022年の「コミックの殿堂」入りという名誉をいただきました。
この素晴らしい贈り物に心から感謝いたします。
私の尊敬する漫画家は手塚治虫です。この方は2002年にコミックの殿堂入りとなりました。手塚治虫はアメリカのアニメーションに感動し、生涯漫画でその動きと美しさを追求しました。私は10代の頃、そういう手塚治虫の作品に感動して漫画家の道を目指しました。そして今、アメリカのアイズナー賞をいただいています。文化や表現はこのように派生し受け継がれていくのだと、改めて思います。
私は多くの方に感謝いたします。私を見出し、仕事をくれた編集者に感謝します。特に小学館の山本順也編集者(故人)は私を束縛せず自由に表現させてくれました。私はどこまでも、羽ばたくことができました。私の仕事のスタッフ、支えてくれた多くの友人に感謝します。また、私の日本語の作品を翻訳してくださったマット・ソーンさん始め、翻訳者の方々に感謝します。この方々の仕事のおかげで、世界の読者に私の作品を届けることができました。
そして、私の作品を読んでくださったたくさんの方に感謝します。漫画という文化を世界の人々が愛して下さるのを心から感謝します。
2022年7月 萩尾望都