2000.11
  あこがれの先生に聞きたい・あんな事やこんなこと、
  大好きな作品への疑問・質問をまとめてぶつけ、
  あまつさえ先生の素顔にせまってしまおう!
  というこの欲張り企画。
  記念すべき第1回は、木原敏江先生です!


Q1.いま連載中の「杖と翼」ですが、これの連載開始予告が掲載された後の反響がすごかったんです。もう、待ってました!っていう葉書が編集部にどどーっと来まして。ひさびさにプチフラワーに長編を連載されている感想はいかがですか。
プチフラワーからお話があったとき、年齢的・体力的にもう長い物語は無理かな… と迷ったのですが、フラフラと始めてしまいました。描いてみたい日本の時代物もまだあるんですが、「夢の碑」が長かったので、今度は西洋物にしました。うまく語っていけるかどうか(!!)皆様の応援が頼りです。どうぞ、よろしくね。


Q2.背景となっているフランス革命は、先生が長年描きたかった題材だとうかがいました。関心を持たれたきっかけは何ですか。
じつは新人まんが家のころ、読み切りで2作描きました。
高校時代、西洋史の先生がナポレオン・フリークで、その前後の時代は特にはりきって教えてくれまして。ご自身でナポレオンのアルプス越えのポーズをしたりして、とても私には楽しかった。フランス革命の講義も同様で、歴史上の人物や地名は全部、原語で黒板に書くんです。(高校なのに!!)面白がって私は覚えたんですが、これが今でもとても役立っています。


Q3.フランス革命のどんなところに惹(ひ)かれましたか。
指導者たちがみんな若くて熱い! 無名の青年たちが国の代表となり、革命をおこし、暴力で理想社会を実現しようとして破滅した… その若さゆえ本来人間が持つ弱さや愚かさを許容も計算もできなかった(したくなかったのかも)ことも失敗の原因の一つかもしれません。私見ですが。スケールは違うけど、日本の新撰組に通じるものがありますね…。


Q4.少女まんがでフランス革命といえば池田理代子先生の「ベルサイユのばら」がありますが…
理代子さんと私は個性と価値観がまるで違うことを尊重しあっている友人どうしなので全然平気。例えばあのころ、彼女にサン・ジュストを売りこんだのは私で、理代子さんはさっそくオスカルにはりあう美形として「ベルばら」に登場させてくれました。ああ、なつかしい昔…。


Q5.本物のサン・ジュストも、やはりあのように美形で天才なのでしょうか。
参考にされた図書や肖像画はありますか。
肖像画はいろいろあるようですが、みんな顔が違うんです。どうみても美形とは思えないのもあるし… 描かれた年代もまちまちですから、どの絵姿を信じるかはお好みしだいですね…。ただ、同時代の多くの人が彼のことを「大天使のよう」と形容していますから、私も一見やさしげな美形にしました。軍略と演説ではたしかに天才的だったようです。


Q6.サン・ジュストやロベスピエールは実在の人物ですが、アデルやリュウは?
アデルやリュウのモデルは別にありません。フランス革命を王制の側からみるのではなくて、じっさいにどんなことが革命政府の手で行われたか…を2人の行動を通して説明しつつ、サン・ジュストにからめていくつもりです…。
(あくまでも予定ですがちょっと不安。)


Q7.印象的に登場した黒髪美形キャラのリュウ、今後の活躍に期待大ですが?
う〜〜ん… いいオトコになってくれるように、作者も祈ってます。(少々不安。)少女まんがですもの、あと何名か、美男美女を出さなくちゃ!


Q8.当時の衣装や建物など資料探しが大変そうですが?
これは、日本の時代物の時も同じですが、学生時代から趣味で読んだり集めたりしていた本が役立っているので、特に資料探しはしません。衣装なども、ほとんど覚えているので、楽しく描いています。大変なのはアシスタントさんたちで、私が指示する資料の細かい背景や建物などを、いつもていねいに描いてくれます。感謝!!


Q9.タイトルの「杖と翼」、これがどんな意味を持っているのか、どうストーリーと結びついてくるのか、気になるところですが… ちょっと教えていただけますか?
ちょっとだけね。
「理想と現実」… って書くと色気がありませんね。ふふふ…


Q10.それにサブタイトルの「プラティヌ・コンセルト」(プラチナ協奏曲)とは?
いつも連載のサブタイトルは編集部(担当さん)がつけてくれます。プラチナ(白金)はサン・ジュストのイメージかな?


Q11.ところで、この作品の舞台にいらしたことはありますか?
1か月ほどのヨーロッパ貧乏旅行の途中、パリでしばらく滞在しました。安宿はパレ・ロワイヤルの近くでした。ノルマンディーは今度行きます。
ソワッソンやカーンもその時にまわりたい。ブルターニュも。


Q12.それはいつごろ、だれと?
今は昔、ずっと昔… 私が20代だったころ(!!!)
週刊マーガレットで連載していたころ…(!!!)
同じまんが家の池田理代子さん、忠津陽子さんと。(あんなに大胆で危うく楽しい旅はもうできないでしょう……)


Q13.プチフラワー9月号の表紙の女の子はだれでしょう?
アデルは栗色巻き毛のはず…
すみません。途中で気が変わってしまったのです。だってだって、たてロールは前にもよく描いたから今度は今までにない髪型にしようと……表紙を描いて出したあとに誓ったので…えーと…。顔も変わったみたい…。


Q14.いま何かコっていることはありますか?
体のためによさそうなサプリメントをとること。
目によいブルーベリーを1日3粒。体力のつく杜仲エッセンスを1日3粒。シソの実にコンドロイチンに…… ざくろも忘れちゃいけません。 全部DHCの製品なの。けっこう、効きます。私には。


Q15.木原先生の作品は何度か宝塚で舞台化されていますが、
舞台はよくご覧になりますか。
面白ければなんでも観ます。舞台、大好き!


Q16.最近聞いている音楽は何でしょうか。
やっぱりクラシックが多いかな。ラフマニノフ、ショパン、リスト……ポップス、ジャズ、イージーリスニング、あとオペラの曲も…レクイエムも。中島みゆき、ユーミン、サザン、陽水も聞くし…矢沢永吉も好き。三輪明宏の歌も大・大好き!!
反面、最近(といってもここ10年)流行のものはほとんど知りません。テレビみないしラジオも聞かないので。


Q17.最近「かっこいい!」もしくは「美しい!」と思われた男性は?
歌舞伎の市川新之助。
最近ではめずらしいほど端正で気品があって、「光源氏」がぴったりでした! 若くて美しい、本物の美形です。


Q18.今年いちばん印象に残った出来事は?
父の死。


Q19.2001年はどんな年になると思いますか?
ますます騒がしく、ますますギスギスした世の中に……
なってほしくないなあ。それに世界的に、日本を悪者にする陰謀がはりめぐらされて… それよりなにより夏はますます暑くなるんじゃないでしょうか。あんまりいいコト考えつかないなあ… 今のところ。あと、天変地異がおこりませんように。


Q20.ファンの方々に一言!
ここまでやってこられたのは皆様のおかげです。おたよりも楽しく読ませてもらっています。お返事できないでごめんなさい。でも、本当にどうもありがとう!
今後もマイペースでやっていくつもりです。いつでも、あなたに読んでもらえたら、とてもうれしい。

感謝をこめて…
木原敏江


木原先生、お忙しい中ありがとうございました!

次回のお客様は、神坂智子先生です。