2003.9

あこがれの先生に聞きたい・あんなことやこんなこと、大好きな作品への疑問・質問をまとめてぶつけ、あまつさえ先生の素顔にせまってしまおう!というこの欲張り企画。
今回のお客様は、大竹サラ先生です!
たくさんの質問メールありがとうございました。

Q1 「ドリームランドEXP.」が大好評連載中の大竹サラ先生ですが、この連載を始めるきっかけや描こうと思った動機などを教えてください。


flowers様の方から、エッセイ漫画を、というリクエストをいただきましたのがきっかけです。エッセイという物に接する機会があまり無かったこともあり、当初は大変戸惑ったのですが、もともとドキュメンタリー物がわりと好きなので、旅先などで実際に見たり聞いたりしたことを描かせていただこうと思いました。
Q2 ベリベリファンさんからの質問です。大竹サラ先生はご本名ですか。ひょっとしてハーフとかだったりして・・・。ペンネームでしたら、ペンネームの由来を教えてください。
学生の頃につるんでいた女子達の間で、かわいい愛称をつけて呼び合うのが流行っていました。『サラ』というのはその頃軽いノリで使っていた愛称で本名ではありません。したがって、特に伏せられた出生の秘密などが無い限り、私はハーフではないと思います。
Q3 土井香さんからの質問です。大竹先生が今まで行った海外の国で、一番お気に入りな国はどこですか。国とその理由を教えてください。
アメリカのロッキー山脈、シエラ・ネバダ山脈沿いの土地が大好きです。文化の香りよりも野性味に惹かれる方なので、大自然があり、湿気が苦手なので乾燥した土地を求め、暑さよりも寒さを求め、野生動物がいて、言葉も通じて行きやすい、となると、アメリカのそのあたりに絞られるわけです。でも今イタリアのアシジにも惹かれていて、機会があったら行ってみたいと思っています。
Q4 ゆりんさんからの質問です。毎回楽しく読ませていただいております。毎度爆笑しながら読んでる私ですが、お聞きしたいことが。「ドリームランドEXP.」はすべて実話なんでしょうか。それともフィクション部分も多いのでしょうか?教えてください。
楽しんでいただいていておられるとのこと、ありがとうございます。今のところすべて実話なのですが、漫画に仕立てる都合上、出来事の順序を入れ替えたり人々のリアクションをデフォルメしたりというような、ささやかな創作はしています。
 
Q5 まりえさんからの質問です。大竹先生はバンド活動もしてらっしゃるとのこと。音楽とマンガ、二つの分野は先生にとってどのようなものでしょうか?違い、共通点などありましたら教えてください。
違いは、私の漫画では時にお笑いがテーマの大きな部分を占めることが多いのですが、音楽は違いますね、やっぱり感動とか美とか、本来の私の清らかな心の部分の表現というか、なんつって。共通点は両方とも、大勢の方々と、体験を共有する分野だなぁということを、最近感じますねぇ。
Q6 バンド活動と漫画家活動を両立させるコツは何ですか?また生活の中で、二つの時間配分など教えてください。
音楽に関わっている時はまったく漫画に関わらず、漫画に関わっている時は音楽にまったく関わらず、といった感じで、長いスパンで時間配分しています。そしてそれがコツと言えるかもしれません。
Q7 シンデレラエキスプレスさんからの質問です。幽霊など、オカルトっぽいエピソードがけっこう多いような気がするんですが、大竹先生は霊感体質なんでしょうか?
野生の勘が強い感じ。
Q8 ミズキングさんからの質問です。バイオリンを弾かれるそうですが、バイオリンと出会ったきっかけをおしえてください。ちなみに私はずっとフルートを習っています。
たまたま買ったロマン派のアルバムの中に入っていた、アルテュール・グリュミオー演奏の"フランクのバイオリンソナタ・イ長調"を聴いた時、初めて自分でも弾いてみたいと思いました、が、難しい楽器という印象が強くてあきらめていました。その後、リレハンメル・オリンピックのテレビ放映で、子供達が楽しそうに弾いているのを見て、できるかも、と。フルートいいですねー。最近管楽器の音もいいなーと思うようになりました。
Q9 藤井真紀子さんからの質問です。海外によく行かれる大竹さんですが、外国語に堪能でいらっしゃるのでしょうか?もし話せる外国語があれば教えてください。
今フランス語を習っているのですが、話せるようになるかはどうかは謎。英語は話します。
Q10 白石幹子さんからの質問です。分からない言語の国に行ったとき、大竹さんはどのように現地の人とコミュニケーションを取るのですか?日本語で押し通しますか?(私はどこに行っても日本語です・・・)
ただ怖じ気づくのみで、言葉のできる人にすべてをまかせきってしまいます。英語ならどこででも多少は通じるのではとも思うのですが、英語圏の国以外で英語を話すことには何故か緊張がともない、うまく話せなくなってしまうのです。同様の理由で日本語も不自然になり、言葉によるコミュニケーションはもう無理なので、敵意の無いことを示すためにただへらへらと笑うのみ。いくじなしのわたくし。日本語で押し通せるというのはうらやましい。私にもそんな強さがあれば。
Q11 どシロウトさんからの質問です。大竹さんは馬をお持ちだと噂に聞きましたが、いつから飼ってらっしゃるのですか。また、馬のどんなところが好きですか?私のような素人でも飼えるもんなのでしょうか。
今いる馬はもう10年目くらいで、年も人間にすれば90才くらいのおじいさんなのですが、かくしゃくとしていて元気です。馬はとても頭がよくて、ダイナミックで、感情表現が豊かで、繊細で、よくわかっている生き物で、かわいがるというよりは、人間関係に近い、対等な付き合いが生まれるような手ごたえを感じます。乗馬クラブで預かってもらっているので、世話は専門の方がやってくださいますから、そういう形でなら素人の方でも飼えると思います。頻繁に乗りに行って、からだを洗ってあげたりたてがみの手入れをしてあげたりおいしい物をあげたりすると、とても仲良しになれますよ。
Q12 マチャミさんからの質問です。ハーブにお詳しい大竹さん。自宅に何種類くらいのハーブがありますか?また、どのように何を普段処方しているのか教えてください。
ひいきにしている銘柄があって、そこのオリジナル・ブレンドを、目的別に常時10種類くらい置いています。契約農場で栽培された、オーガニックで質の良いハーブを使っていてとてもいいのです。一番良く使うのは、空間を清浄に保つためのオイルで、レモングラス・ローズマリー・ニチニチソウなどなど7種類のハーブがブレンドされていて、香りも好きなので部屋で焚いたりからだに塗ったりしています。
Q13 月並みですが、好きな男性のタイプを教えてください。
マイケル・ランドン演じるチャールズ・インガルス(古い?)。畑を耕す手でフィドルも弾けるというのがグー。心も体もお顔だちも、成熟していてたくましいところが好み。幼少時?より変わらぬ好みのタイプに、我ながら驚きを禁じ得ませんが。
Q14 最近ハマッている本や、音楽、マンガ、または感動した映画などありましたら教えてください。
先日、友人の所属している管弦楽団に混ぜてもらい、バッハの『マタイ受難曲』の公演に出させていただいたのです。これが実に感動的な体験で、それ以来ずっと『マタイ受難曲』を聴き続けています。しばらくこれ以外聴けないかも、『マタイ受難曲』と一緒にどこか遠いところへ行って、ふたりだけ?で静かに暮らしたい、というくらいハマッています。自分がこの素晴らしい曲の一部になったのかと思うと、今でも感無量で泣けてしまいます。映画も、最近はマタイつながりでパゾリーニの『奇跡の丘』。イタリア映画が好きなもんで。
Q15 世界各国を旅されている大竹さん、今までこれが一番!という食べ物があれば教えてください。
ボストンから、列車でたしか40分くらいのところにあるロックポートという海辺の小さな町で食べたロブスター。目の前で海から引き上げられるロブスターをボイルして、レモンと溶かしバターを添えて出してくれるのです。一匹7ドルしないくらいとお安く、あまりにおいしいのででかいのを二匹食べた記憶が。眼下には青い海、足下には物欲しそうなまなざしで集うカモメども、という理想的なシチュエーションも花を添えてくれました。
Q16 今後やってみたいマンガのネタなどありましたら、ちょこっとだけでもおしえてください。

海外で、野生動物を保全飼育しているようなサンクチュアリを、次々と訪ねて描いてみたいのですが、なかなか・・・。あとは旅に関わらず、もう少し身近な出来事もネタにするかも。

Q17 堀内さんからの質問です。とってもファンなので、大竹さんのホームページとかあれば知りたいんですけど、インターネット上の活動とかされてますか?
ありがとうございます。私のホームページはもうすぐ開設されます!アドレスなどは、なんらかの形で読者の皆様にもお知らせできると思いますので、ぜひ遊びにいらしてください。じっくりとコンテンツを増やしてゆく予定ですので、気長におつきあいいただければ嬉しいです。
Q18 山本歩さんからの質問です。今後パスカルズはどちらの国に行かれるんですか?また、今後のマンガの展開を差し支えない範囲で教えてください。
今年初冬にフランスとスイス国内を、三週間弱で12ケ所巡業する予定です。1ケ所1公演という過酷なスケジュールです。この旅の間になにかおもしろいことがあれば、漫画でもまたバンド・ツアー編を描かせていただくかもしれません。
Q19 休日は何をしてらっしゃいますか?
その日一番やりたいと思ったことを、やりたいやりたいと思いながらお茶を飲んだりしてぶらぶらしている。

Q20 最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします。
まずは質問を寄せてくださった方々に、特にお礼を申し上げます。それからいつも読んでいただいている方にも。ただの旅の思い出話を、誌面を使って一方的に聞いてもらっているような気分になり、時々うしろめたく感じることもあるものですから(笑)、楽しんでいただいているとのお話を伺うと、大変嬉しくほっといたします。これからも末永く、どうぞよろしく。

大竹先生、お忙しい中ありがとうございました!

次回のインタビューは中村かなこ先生です。
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